「開業コンサルタントって、なんだか胡散臭い!」と思っていませんか? 実は、開業コンサルタントは使い方によっては開業を成功に導いてくれる頼れる存在です。
今回は、開業コンサルタントを利用するかを検討されている先生のために、開業コンサルタントを利用した場合の『デメリット』についてお話します。
開業コンサルタントの『メリット』については、前回、「クリニック開業を検討中の医師必見!開業コンサルタントのメリットとは?」でご説明しましたので、ぜひ今回の記事と併せてご覧下さい。
開業コンサルタントのデメリット
- トータルの開業コストが高くなる
- 各社取引において中間マージンを取られる場合がある
- 任せ過ぎると理想の開業とかけ離れたものになる
- 成功しなかった場合は払い損になる
- まとめ
1. トータルの開業コストが高くなる
あたり前ですが、自力で開業する場合と比べてコンサル料が上乗せされるので、トータルの開業費用が割高になります。開業を専門としたコンサルタントは、コンセプト設計から物件選定、資金調達、内装設計、スタッフ採用・教育、諸官庁へ開業書類提出まで、トータルで手厚く対応してくれる反面、高いコンサル費用がかかることを覚悟しなければなりません。
一方、医薬系の卸会社などのコンサルタントの場合、開業支援を無償で行なってくれるところがあります。本業とは別に開業支援を専門におこなう部署を設けており、アドバイスをくれたり保健所への届出など支援してくれます。しかし、無償であるが故に開業専門のコンサルタントと比べて一般的に対応が手薄です。
コンサルタントに依頼するのであれば、基本的には費用がかかるものと理解し、無償でやってくれるコンサルタントの場合は、対応範囲が狭いという点をわきまえてお願いすると良いでしょう。
2. 各社取引において中間マージンを取られる場合がある
医療機器卸会社や不動産会社を母体とする開業コンサルタントの場合、自社の本業部分となる医療機器や不動産の取引において中間マージンを取るケースが多く、それらの額が通常よりも高くなりがちです。
また、開業専門のコンサルタントであっても特定の内装施工業者や広告会社ばかりを紹介して、紹介手数料と称して中間マージンとるところがあります。特定の業者ばかりをすすめてくるコンサルタントは、コンサル料に加え手数料でも儲けようとするので注意が必要です。
3. 任せ過ぎると理想の開業とかけ離れたものになる
開業コンサルタントを使った先生からよく耳にする嘆きの一つがこれです。医師として仕事を続けながら開業準備する先生が陥りがちなパターンなのですが、開業医は時間に限りがあるため、どうしても開業コンサルタントに頼ってしまいがちなのです。
コンサルタントとの打合せで、先生がしっかりとイニシアチブを取って議論したり、作業を進めていれば何も問題はないのですが、時間がないが故に、ついついコンサルタントに任せきりになってしまうことがよくあります。何でもかんでもコンサルタントに丸投げしていると、気づいたらいろいろな制約があってやりづらいものになっていたり、先生が望む医療が実現できるクリニックになっていなかった、ということが起こりえます。
コンサルタント選びを慎重に行なうのは当然のことながら、譲ってはならない部分は丸投げせず先生自身でしっかりと考え、他人でも良い部分だけをコンサルタントお任せするようにしましょう。
4. 成功しなかった場合は払い損になる
開業コンサルタントに物件探しをお願いしたのに良いテナントを見つけることができず、結局は自力で物件を見つけたというケースがありました。また、事業計画どおりに患者数が伸びず毎月赤字となって大変な思いをした、という先生もいます。
開業コンサルタントにお願いしてもうまくいかないケースは多くあります。だからといって高いコンサル費を支払うのですから泣き寝入りする訳にもいきません。払い損しないようにするには、担当のコンサルタントと責任分界点をしっかりと話し合いましょう。また、問題が発生した場合に、どのようなリスクヘッジがとれるのかを事前に決めておくことが重要です。
5. まとめ
開業コンサルタントを利用する上で大切なことは、依頼した場合のメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、先生自身がリスクを見極めることだと思います。
「クリニック開業を検討中の医師必見!開業コンサルタントのメリットとは?」でも掲載したように、開業のプロフェッショナルに依頼することで得られるメリットも多いです。また、今回挙げたデメリットは、必ずしも全てのコンサルタントに共通する話ではありません。中間マージンを取らないコンサルタントや、結果にコミットしてくれるコンサルタントが存在しているのも事実です。
開業コストが高くなってもコンサルタントを使うことでメリットが享受できるなら積極的にコンサルタントを利用していくという考え方もあります。もし依頼するかどうか悩んでいる先生は、無料相談もできますので、是非ご検討されてみてはいかがでしょうか?