ここで差がつく!選ばれる小児科クリニックになるための待合室とは?


今回は、小児科における待合スペースについてお話します。

これから開業しようと考えてる先生は、どのような待合室にしようかあれこれと頭を悩ませているのではないでしょうか?

待合室は工夫次第で、患者さんにとって安心して過ごしやすい空間が創れるものです。今回は、患者さんに安心して過ごして頂くための待合室について考えてみたいと思います。

 


選ばれる小児科クリニックになるための待合室

  1. 隔離室をつくる
  2. 予防接種専用の待合室をつくる
  3. ベビーベッドやバウンサーを設置する
  4. できるだけたくさんの絵本を置く
  5. 音楽や映像を流す

 

1. 隔離室をつくる

ご存知のとおり、平成26年10月より水痘ワクチンの定期接種が開始とになり、最近では水痘の患者数が以前より少なくなったと言われています。ワクチンの定期化が進むことで、隔離室の利用率も減ってきているようです。

一方で、平成28年に関西空港で麻しんの集団感染あったように、麻しんや風しん、水痘などに感染した患者さんが自分のクリニックに来院する可能性は充分あります。

広いスペースを確保する必要はありませんが、隔離室があれば他の患者さんや保護者にとっての安心感につながります。スペースの関係上、諦めようとしている先生もいるかもしれませんが、1組(患者さんとその保護者)が待てるスペースがあれば充分です。患者さんの安心のためにも、隔離室のスペースは確保した方がよいでしょう。

 

2. 予防接種専用の待合室をつくる

予防接種専用の待合室は、予防接種を受けに来た健康な状態の子どもたちのための待合室で、感染症状のある患者さんと触れ合うことなく過ごすためのものです。いわゆる逆隔離室です。こちらは隔離室と異なり、複数の家族が待てるスペースがあった方が良いでしょう。この部屋に入る子どもたちは元気な子どもたちなので、その子どもたちが退屈しないように絵本など充実させるといいと思います。

もしかしたら、「予防接種の専用時間を設けるから予防接種専用の待合室は不要だ」と考える先生もいるかもしれません。しかし、予防接種を受けに来る子どもの保護者にとっては、どの時間帯でも予防接種を受けることができる方が便利です。利便性が高いクリニックは、来院してもらえる確率があがります。選ばれる小児科クリニックになるためにも予防接種専用の待合室をつくって、いつでも来院してもらえる環境を整えましょう。

また、インフルエンザ予防接種の時季は、ワクチン接種のために子どもたちがたくさん来院します。そのため、予防接種専用の待合室があっても、この時季は全員が収まりきらないことがあります。その点も想定し、インフルエンザ予防接種の時季は一般の待合室をパテーションで区切るなどの対策をするといいでしょう。

 

3. ベビーベッドやバウンサーを設置する

生後間もないお子さんを連れてくるお母さんたちは、たくさんの荷物を持って来院されます。受付に来ると、赤ちゃんをだっこしたまま、たくさんの荷物の中から、保険証や医療証、診察券などを探します。小児科クリニックで受付をする保護者の様子を見ていると「お母さんたちは、大変だなぁ」とつくづく思います。

そのようなお母さんたちのために、受付付近に荷物を置くための台を設置すると喜ばれるのですが、それに加えて、赤ちゃんを一時的に寝かせられるベビーベッドやバウンサーも設置すると、更にサービスアップにつながります。

バウンサーとは、揺れるベビーチェアのようなものなのですが、角度を変えてベッドのように利用することができるものがあります。比較的安価に購入できるので、ぜひチェックして見て下さい。

 

4. できるだけたくさんの絵本を置く

小児科クリニックの待合室は、昔も今も絵本を置くのがお決まりのようになっています。最近では幼児への読み聞かせの有用性も注目されており、クリニックに置いてある絵本は、どれも一度は読んだことがあるというお子さんや保護者の方も多いのではないでしょうか。

せっかくなので、待合室に置く絵本はアンパンマンやミッキーマウスなどのありふれたものばかりではなく、先生やスタッフにとってこだわりのある絵本や、大きな書店などでお薦めされているような他ではあまり見かけない絵本などをセレクトしてみてはいかがでしょうか。

絵本が豊富にあって待ちやすい環境が整っていれば、それだけで患者さんから選ばれる可能性が上がります。絵本は消耗品と割り切って、毎月予算を決めて定期的に入れ替えると更に患者さんに喜ばれます。

 

5. 音楽や映像を流す

音楽や映像は著作権の問題はありますが、しっかりルールを守れば院内で流すことが可能です。

音楽については、日本音楽著作権協会 JASRACが著作権の管理をしています。JASRACによると、院内で音楽を流すのは「各施設でのBGM」に該当するのですが、医療機関においては「営利を目的としていても、当分の間、使用料が免除されています」となっています。

日本音楽著作権協会JASRAC icon-external-link 

現段階では院内で音楽を自由に流すことができますので、患者さんやご家族がリラックスできるように積極的にBGMを活用しましょう。

映像に関しては、各ビデオソフトメーカーが著作権を管理しています。一般に流通している市販のビデオソフト(DVDやBlu-ray)は、院内などで上映することが許可されておらず、家庭内で視聴することに限定されています。

各ビデオソフトメーカーでは、市販のビデオソフトと同一タイトルの「上映用ソフト(業務使用を含む)」を供給している場合があります。上映できるビデオソフトは限られますが、1本15,000円~20,000円ほどで貸し出してくれます。契約期間はメーカーにもよりますが一般的には1年ほどです。

利用する場合は、各ビデオソフトメーカーに直接問い合わせをするか、二次使用権利を扱う会社もあるので、「業務用ビデオ」などで検索して探してみて下さい。

 

まとめ

選ばれる小児科クリニックになるためには、患者さんやご家族が安心して待つことができる待合室環境を整えることが重要です。そのためにも隔離室や予防接種専用の待合室は必須と言えるでしょう。隔離できる環境があるたけで感染対策に力を入れているクリニックというアピールにもつながります。

待合室の環境づくりにどんなに力を入れても、患者が来なければ意味がないと考えている先生もいらっしゃるかもしれませんが、待合室がきれいで居心地が良ければ、それだけでお母さんたちの口コミは広がります。

最終的には、医師の診察に対する満足度やスタッフの対応、待ち時間、家からの距離や、駐輪場の停めやすさなど、いろいろな条件によって来院につながるかが決まりますが、待合室の過ごしやすさは来院のきっかけに必ずつながります。ぜひ、患者さんが安心して通えるような待合室づくりを検討してみてはいかがでしょうか。